出雲市が主催する「創業塾」は、出雲市内で起業したい人を支援してくれる頼もしいセミナー。「経営の基礎が分からない」「起業するにはどんな手続がいるの?」など、起業に関する様々な知識が身につけられます。
今回は創業塾に参加し、実際に出雲市内で創業した3人に、創業塾のことや起業についてあれこれ語ってもらいました!

左から

《座談会メンバー》

  • 板垣 健一(いたがき けんいち)さん/創業塾2期生
    広島でIT会社「トライポット」を起業。7年前に出雲にIターンし、2018年にコスプレスタジオ「ハマチカスタジオ」、2020年に模型製作スペース「イズモケ」をオープン。
  • 藤田 希江(ふじた きえ)さん/創業塾3期生
    2018年、「素の自分に戻ることができる家」をコンセプトに、プライベートヘアサロン「HAIR SALON 365」をオープン。
  • 波部 祐也(はべ ゆうや)さん/創業塾1期生
    2016年、大社町産の自家栽培野菜を中心としたカフェ&ダイニングバー「“TAMARIBA”NAMI」をオープン。

板垣さんお久しぶりです!こうして創業塾の参加者同士集まるのも久しぶりですね。

会場は”TAMARIBA” NAMI

波部さんそうですね、以前ここで創業塾の同窓会をやったのもずいぶん前ですから。

藤田さん波部さんは1期生ですか?

波部さんそうです。関西からのUターンで、創業塾に参加した翌年に「NAMI」をオープンしました。

板垣さん地元で飲食店をやるのが夢で、創業塾に参加したんですか?

波部さん僕はそういう感じじゃないんです。元々うちは曽祖父の時代から配置薬の仕事をしていて、何となく自分はその後を継ぐんだろうと思っていました。それも意識して関西の大学で経営学部に進んだんですけど、大学3年の時に父が突然他界してしまって。

板垣さん急なことだったんですね。それで帰って継ごうと思われたんですか?

波部さんそのつもりでしたが、時代とともに配置薬の需要もなくなっていたので、父は継がせようとは思っていなかったみたいです。でも父が仕事を通して築いてきた地域の人達とのコミュニティを幼い頃から見ていたので、このまま廃業するのがもったいない気がして、何かしらの形で意思を引き継ぎたかったんです。 そしたら母に「それならまず、社会経験をしなさい。就職して、雇われる側のことも勉強してきなさい」と言われて。

藤田さんお母さんすばらしい!

波部さんその言葉にすごく納得できたので、30歳までに出雲に戻ると決めて、とりあえず大学を卒業して、関西で就職しました。

板垣さんどんな仕事をしたんですか?

波部さん 最初はOA機器の販売会社。いろんな職種のいろんな役職の人と商談をして、広く浅くですが仕事の仕組みを学びました。 3年ほどして、今度は地元情報誌を出版する会社に入りました。父が地元の人達との交流を大切にしながら仕事をしていたので、自分もそういう部分を勉強したくて、地域に根ざしたローカルな仕事を選びました。

藤田さんいずれは戻って、お父様のような商売をすることを意識して働いていたんですね!

波部さん最終的にこっちに帰ったのは27歳の頃。まだその時は何をするのかは決まっていなかったけど、空き家になっていたうちの昔の家を使って何かできないかなぁと考えたんです。
この辺は観光地だから、観光客向けのお店はいっぱいあるけど、地元の人が気軽に行けるような店が意外となくて、じゃあ自分が作ればいいじゃんってなったんですよね。 人が集まれるコミュニティの場所を作りたい。集まるならお酒があったほうがいいよね。お酒があるなら料理が欲しいよね。じゃあ居酒屋だ!ってなって、そこから創業に向けて準備をはじめて、創業塾に参加したんです。

板垣さんなるほど、逆の発想で考えた結果が飲食店だったんですね〜。
藤田さんも関西からのUターンなんですよね?

藤田さん私は高校を卒業して関西の学校に行って、そのまま関西で美容師になりました。ゆくゆくは出雲に戻ってきたい気持ちがあったので、結婚と出産を経て、子育てを機に家族で戻ることにしました。

板垣さん都会は子育ても大変ですもんね。保育園に入れなくて、兄弟を別々のところに預けている人もいるとか。

藤田さんそうですね、そういう意味でもこっちは住みやすいです。戻ってからしばらくは出雲の美容室で働いて、その後独立しようと思い、創業塾に参加しました。 今は、“素の自分に戻れる、素の美しさを大事にするプライベートサロン”をコンセプトに、ゆったり過ごせるお店作りをしています。できればその時だけではなく、お客さまと一緒に年を取っていけるような、一生お付き合いできるような関係が作れるといいなと思っています。

波部さんステキですね〜。
板垣さんは広島からのIターンですか?

板垣さんそうです。本業のIT会社をはじめたのも広島で、平成10年頃からやっています。それまでは印刷会社の企画制作や、コンピューター販売サポートなどの仕事をしていました。

藤田さんどうして出雲に来たんですか?

板垣さん妻が出雲の出身なんです。結婚当初からいずれは出雲に帰りたいと言っていたので、娘が1歳半になる頃に移住しました。仕事もIT会社をそのまま続ける形で、拠点を出雲に移したという感じです。

波部さんIT会社を経営しながら、新しい事業を始めたんですね。

板垣さん本業とは別に何かビジネスがしたいという思いがあって。一番の目的は出雲に若い人が楽しめる場所を作りたかった。それで、自分の趣味の範囲で、かつ若い人が楽しめて、ビジネスになりそうなものと考えたら、コスプレスタジオと模型製作スペースだったんです。(笑)テスト的な意味もあるんですよね。こういうビジネスが成立するのかなっていう。

大五郎さん

波部さんなるほど。それで、新規ビジネスをやるにあたって創業塾に参加したんですね。

板垣さんこっちで事業をはじめるなら、島根や出雲のことをもっと知らなきゃというのもありました。銀行とか商工会とか、そういったところとも話ができる機会があると聞いて参加を決めたんです。

藤田さん私も起業するにあたって、どんなことでも知識がほしかった!

波部さん僕もそうです。お店の構想が固まりつつある中で、取り込めるものは全てインプットしとこうって。

板垣さん創業塾で教えてくれることを一人で勉強しようと思ったらたぶん挫折してたと思います。同志がいて、教えてくれる先生がいるから頑張れるっていうのはありますよね。

藤田さん事業計画書の書き方とか、コンセプト作り、マーケティングや財務なども触り程度だけど教えてくれますよね。とりあえずこういうことを調べておかないといけないんだということが分かるのはありがたかったです。

板垣さん参加した理由に、仕事仲間を見つけたいというのもありましたね。起業ってだいたい周りに反対されて、結構孤独だし心が折れるんですよ。(笑)だからビジネスの話が一緒にできるような仲間を持つと、モチベーションが全然違うんですよね。

波部さんすごい分かります!あの人も頑張ってるんだと思える。創業塾に参加してよかったのはそういう繋がりができたところ。

藤田さんこれで大丈夫なのか?って不安になるようなことも相談できますしね。

板垣さん同期同士は仲良くなりやすいですよね。休憩時間に話をしたり、任意参加の交流会があったり。終わってからも個人的に関係が続いている人もいます。

藤田さん色々大変なこともあったけど、雇われている時に比べてお客さま一人一人と深く関われるようになったし、自分のタイミングで働けるメリットもあるし、創業してよかったなと思います。

波部さん自分の好きなように表現できるし、休みたいなと思ったら休める。(笑)そういう自由度はありますよね。でも実際は生活のための仕事でもあるので、自分を追い詰めてしまって逆に自由がなくなることもある。それは自分のさじ加減だし、そこが会社勤めと大きく違うところですね。

板垣さんこうやってお互いの悩みとか近況を共有できるとまた頑張ろうって思えますよね。これからも、定期的に創業塾の同窓会開きましょう!(笑)

起業についての様々な知識を得られるだけでなく、
こうして語り合える仲間ができるのも創業塾の魅力。
出雲で起業したい方、起業に興味のある方は、
夢への第一歩のきっかけになるかもしれません。

 

創業塾メンバーの皆さま、ありがとうございました。

出雲市では、「創業塾」をはじめ創業相談や各種セミナーの開催など創業支援を行っています。
興味・関心がありましたら、出雲市の創業支援サイト「創業支援について」をご覧ください。

◆創業支援について
https://www.city.izumo.shimane.jp/www/contents/1526013580559/index.html