アートで人をつなげ
アートでまちを元気に!

青木 智美

(アートパフォーマー)

静岡県生まれ。転勤の多い家庭に育ち、子どもの頃から各地を転々とする。その後、東京の大学に通い、2005年に就職を機に出雲へ移住。仕事と並行してアートを通じた「人づくり」「まちづくり」に関する活動を行っている。

両親が楽しんでいた暮らしが
今の自分をつくっている

幼少のころは父の転勤で日本中を転々としていました。小学5年生から東京で暮らしはじめ、大学卒業まで都会生活。そして出雲的にいうと〝ご縁〟なのか、仕事の勤務地がたまたま出雲になり、あっという間に14年が経ちました。現在は仕事の傍ら、アートパフォーマンスイベントを手掛けています。

アートや演劇に興味を持ちはじめたのは親の影響が大きかったと思います。子どものころに「こども劇場」の会員だったことや、日曜の夜は必ず家族でNHKの大河ドラマを見ていて、翌日幼稚園から帰ると「大河ドラマごっこ」をしていました(笑)。それと両親に連れられてよく美術館にも行っていました。

しかしアートにどっぷり浸かっていたのか?と言われるとそうでもなく、小学生のときに学校の図画工作が嫌いになりかけたことがありました。その時たまたま「ピカソ展」を見に行ったのです。子どもながらにピカソの絵をみて「あっ……、自由でいいんだ!」と思い、それから絵を描くことが楽しくなってきました。

今でもよく覚えているのが、高校の時に友だちから「あなたの絵は面白いから描き続けてね」と言われ、多色の色鉛筆セットをもらいました。それがきっかけで色鉛筆で絵を描きはじめました。

10代のころは多感な時期だったのでしょう。美術もですが芸能にも興味が湧いてきて、お芝居をやりたくなりました。しかし引っ込み思案だったこともあり、なかなか演劇部の門を叩けず。それが、小学6年生のときに名のある役を演じるやいなや開花して、高校の時には演劇部に入りました。

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生活の一つに
アートを位置付けたい

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旧大社駅や神門通りを舞台とした「がたり」というアートパフォーマンスイベントをはじめて開催したのは2009年のことでした。イベントを行う意図は、アートを通して地域の人たちに「出雲はいい場所だ!」と見直してほしかったからです。そのためには、寝ること、食べることなどの生活の一部に「アート」があればいいなーと感じたのでした。

出雲は芸術を見たり触れたりすることのできる環境が少ないから、県外に行かなければならないか、諦めるか、という選択になってしまいます。

それなら、作品を持っている人が繋がり、グループになって感性をぶつけ合い、コラボして地域に見せていこう!と考え、「がたり」というアートパフォーマンスイベントを思いついたのでした。地域の人たちに見ていただける機会があれば「こんな素敵な作品があるんだ!」「出雲にも面白い人がいるな!」と関心を抱いてくれるようになります。

また、アートが薬みたいに心のメッセージとして必要としている人にも届くようになります。私は出雲にいても質の高い表現を体験できると思っています。

初回は、出雲大社の神門通りの空きスペースを活用して開催しました。5回目からは大社町の鷺浦地区で街角アートを手掛けました。今後はもっと出雲のいろいろな場所で行いたいと思っています。

もう一つ、「がたり」をこれまで直感でやっていましたが、理論的に説明できたら、もっといろいろな人が協力してくれると思い、まずは地域づくりの勉強のために「子ども文化地域コーディネーター」の資格を取りました。その過程で知ったのがババコンです。元々は東京都青梅市の「おうめ若者カフェ」というグループが発案・開催したイベントで、平たく言うとファッションショーです。しかもモデルさんが70歳以上! 衣装や振り付けを担当する20~30歳代の地元の若者達が、どのように70歳以上のモデルさんを素敵にコーディネートするかが腕の見せ所です。これが地域の課題解決になるかもしれないと思い、「おうめ若者カフェ」に協力を仰ぎ、出雲市で計3回開催しました。これは世代間の交流にもなり〝いいイベントだな~〟と思っています。

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電波をこよなく愛する
テレビ大好きっ子

休日はというと。とにかく私はテレビが大好き。いつもBSの映画を見たりラジオを聞いたりしています。特に10代のころは夜な夜なラジオを聞いていて、中でもお気に入りだったのが、声優の緒方恵美さんのラジオでした。いつもはっちゃけた内容ばかりなのに、5分だけまじめなお悩みコーナーがあったのです。そのギャップがとてもたまらなく「私はこういう大人になりたい!」とずっと思っていました。ラジオもテレビも、私にとってホっとする時間です。

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アートは自己表現
言葉ではなく五感で伝えたい!

今は、絵やオブジェなどの作品を楽しみながら作ることによって、脳を活性化させる芸術療法(アートセラピー)である「臨床美術」の勉強をしています。アートの良さを体感してもらえるワークショップをしようと思ったときに、誰でもできるコンテンツのネタをもっていたいと思ったからです。

まだまだ勉強中ですが、一人ひとりの存在を認めながら、みんなでアートを楽しんだり、感性を磨ける手法の一つだと思いました。作ったものを五感で鑑賞していく。アートを広める良いきっかけになると感じています。

それと、これから休憩中の「がたり」を復活したいです。「がたり」をやっていた頃は自分が吐き出したい感情を作品にしていました。いろいろと悩みや伝えたいことがあっても話し言葉には限界があるので、自分の感覚を伝えるツールとして絵だったり、舞踏や即興パフォーマンスに置き換えています。「そういう表現方法があるよ!」と、同じ悩みをもった人に伝えたいのです。アートを感じあえる人に、ぜひ参加してもらいたいです。

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出雲人が薦める出雲

日御碕
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日御碕の岩場から水平線を見ていると、海が少し丸みをおびて見えます。地球の形が見える場所は出雲にはないと思っていたので感動しました。

一畑電車
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スクーター生活の前は一畑電車で通勤していました。駅員さんや乗務員さんがやさしいです。傘を忘れた時に「お客さん傘忘れてますよ」と車内放送されたり(笑)ローカル感がいいですね。

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