甦れ!幻の出雲コーチン
今年(2019年)は猪年。
全く関係ないが、私は猪も好きだが、鳥はもっと好きだ(実は牛肉も大好き)。冒頭からとんでもないこじつけで申し訳ないが、いま、出雲で「出雲コーチン」が熱いらしい!!!!そんな情報を聞きつけた。
「コーチン」というとまず、名古屋コーチンを思い浮かべる。しっかりとした歯ごたえ、噛みしめるたびに湧き出る旨味。
しかし「出雲コーチン」は一体、どんな味なのだろう?
話を伺ったのは、有限会社藤増ストアーの会長であり、
出雲コーチン利用促進協議会の副会長でもある、藤江昭雄さん。
元々のきっかけは、明治12年に神戸より持ち帰った「コーチン」と称される外来種と地元の鶏を交配させて、大正11年に「出雲コーチン」と命名されたのが始まりだそう。
しかし、戦後に入ると、産卵能力の高い外国種の拡大や物流の発展など、時代の流れにより徐々に姿を消していったという。
そして、平成23年には、畜産技術センターが斐川町のあるお寺から譲り受けた2羽のみ、という状況になる。
この状況に危機感を感じたのが出雲農林高校。
「出雲コーチン復活プロジェクト」を立ち上げ、研究を開始。
島根県畜産技術センターから卵の提供を受け、12羽まで増えたそうだ。
ここから徐々に追い風が吹く・・。
藤江さんが経営する藤増牧場でも出雲農林高校、畜産技術センターから卵や親鶏を譲り受け、繁殖を開始。
そして平成29年には、種の保存とブランド化を目的とし「出雲コーチン利用促進協議会」が設立される。
果たして、現在の出雲コーチンはどうなっているのか?現状を藤江さんに話を伺った。
まず、協議会の1つ目のミッション「種の保存」については
畜産技術センターや関係者の努力により、令和元年現在、100羽以上まで繁殖することができたそう。
しかし、もう1つのミッションである「ブランド化」には大きな壁が立ちはだかったそうだ。
出雲コーチンは発育が悪く、孵化して5ヶ月で2kgにしかならず、
ここのままでは、生産者にとって採算性の面で厳しいという。
そこで考えられたのが在来種との交配。
藤江さん曰く、現在、日本に数多ある地鶏ブランドも元々は「種の掛け合わせ」とのこと。
実際に藤江さんが経営する「鉄板焼 藤増」では、出雲コーチンと名古屋コーチンを自社牧場で交配した「藤増コーチン」を提供しているそう。
その味を確かめるべく、早速足を運んでみた。
注文したのは、藤増コーチンの鉄板焼き。
噛むとじゅわっ!と旨味が出る鶏肉。
カリカリ食感の鶏皮もたまらない!
ふだん食べるの鶏肉にはない歯ごたえも病みつきになりそうだ!
今のところ、藤増コーチンを食べることができるのは、ここ「鉄板焼 藤増」のみだが、
近い将来、藤増コーチン、そして出雲コーチンが地元で普及し、さらに全国へ羽ばたくことを切に願う!。
え!?コスプレでゴミ拾い@出雲
さて、「ゴミ拾い」と聞くとどういうイメージを思い描くだろうか?
意外と大人になってからは、公共の場で「ゴミを拾う」ことが遠ざかっているのではないだろうか。
私自身、小さい頃、ボランティアで嫌々やらされた記憶(?)が残っているくらいだ。
今回は、そんな「ゴミ拾い」から遠ざかる大人たちに朗報だ!
その名も「コスプレコ」。「コスプレ」と「エコ」の組み合わせ。
その「コスプレコ」が行われたのは2019年3月25日、出雲市駅を中心に
約2時間、私も普段着の格好で歩いてゴミを拾って回った。
春休み中という事もあって、観光客の方や小さいお子さん連れの方も多く、
カミアリージャーを筆頭に撮影会のような賑わいに!!
このお二人は絶賛活動中とのこと!
さすがの本職!仕上がりに一同感動!
「たばこの吸い殻多いねぇ・・・」
「なんでこんなもの捨てるのかな(たわしを駐車場で見つけた子)」
「駐車場ポイ捨て多すぎ!!」ゴミ拾いをしながら色んな感想が出てくる出てくる。
お店の店先に出ていた店主さん達や
地域の方たちとも自然と「こんにちはーー!」
「あら、ゴミ拾い??楽しそうね、頑張って!!」
など、会話もはずみ、楽しそう。
さて、全員で回収したゴミ。
結構な量。普段車で通るときには、なかなか気づかないけど、
火バサミとゴミ袋を片手にゆっくり歩いていると、意外と落ちている。
こうやって、コスプレの格好でわいわい言いながらゴミを拾うと
とても気持ちいい!また参加したくなるイベントだった。
佐藤の一言:ゴミ拾いというと、どちらかというと「作業」的なイメージを抱きがちだけど、コスプレと合わせることで、「イベント」感を演出できていることが素晴らしい! 子どもたちにも関心を持ってもらえるきっかけになるのは良いと思います! ぜひとも活動を続けて欲しいですね!
エミューのその後……
読者の皆さんは覚えているだろうか。
今から3年前。出雲市内でエミューを飼っている謎のIT社長がいたことを。
2019年の今、エミューは一体どうなっているのか?。
全滅したのか、それとも一大帝国を築くぐらいに繁殖しているのか?。
再度伺って見た!!!
3年前の前回はたった2羽だったはずのエミューが・・・・。
ふ、、ふ、、増えている!
ろ、、6羽!?
今回も温かく出迎えてくださった飼い主の松田さん。
前回伺った3年前から現在に至るまで、いろいろ飼育に苦労されたそうだ。
一般的に、エミューの産卵は12月から3月の冬に行われる。
松田さんのエミュー農園でも、何個か産卵が行われたが、
いつになっても孵化しなかったり、ようやく孵化してもすぐに死んでしまったそうだ。
その生き残りが新しく加わった4羽なのだ。
まだまだ日本でのエミューの飼育は手探りで、松田さんとしても非常にやりがいのあることなのだそう。
また、エミューの飼育の他に、近くでぶどうの栽培も行っており、
ぶどう畑の雑草をエミューに与えると、美味しそうに食べる食べる。
畑に有害な雑草も、エミューにとっては新鮮な野菜になるのだ。
IT業とエミューとぶどう、3足のわらじをはく松田さん。
果たして、忙しくて手が回るの!?と思いきや・・・・。
ぶどう畑の方は温度管理をITで行っており、
温度の上昇により自動的に換気を行えるようにしているらしい!
さすがIT社長!!出雲の未来は明るい!
佐藤の一言:松田さんの日々の努力が、少しずつ形になっているのがわかります。きっと難しい問題に直面することもあると思いますが、この調子で2羽から6羽。6羽から10羽・20羽と増えていくことに期待しています。将来的に “エミュー畜産の魁” になる違いないでしょう。さらなる発展に期待しています!
JACAGOのその後……
読者の皆さんは覚えているだろうか・・・。
今から3年前。出雲市佐田町にあるビニールハウスで居酒屋「JACAGO」を経営していた2人がいたことを・・。。
2019年の今、「JACAGO」のその後はどうなっているのか?
まだ営業しているのか?それとも支店を出すほど賑わっているのか!?
気になったので、行って見た。
ふらっと扉を開けると・・・。
おっ!賑わってる!
3年前と変わらず、カウンターがお客さんでいっぱいだ。
店長の大谷さんも相変わらず、馴染みのお客と冗談を言い合っている。
料理の方も、以前と変わらず絶品だ!
こちらは鴨の塩焼き。これが絶妙な歯ごたえ!
そうこうするうちに、隣では常連さん?たちが乾杯。
右のお二人は、JACAGOがある橋波の方々で、
過疎化に悩む地元橋波を活性化するためにはどうすれば良いか、
酒を飲みつつ、アイデアを出しながら、真剣に語り合っている!
毎年冬季のみ営業するビニール居酒屋「JACAGO」。
今年で営業7年目だったのだが、
酒が飲めるだけの場所ではなく、地域のことを愛し・考える人たちが集う素敵な場所になっていた。
さて、前回から変わった点が1つ・・・・。
なんと、お二人、結婚されたとのこと!おめでとうございます!
佐藤の一言:2016年にお伺いしたビニールハウスの居酒屋「JACAGO」が健在で安心しました! 都会であっても地方であっても、お店をやり続けるのはとても大変なこと。私自身飲食店に勤めた経験があるから、苦労の一部は分かります。これからも地元の交流の場として、お店を続けて行って欲しいです。GO! GO! JACAGO!!
トキを増やせ!出雲市トキ分散飼育センターの試み!
学名「Nipponia nippon (ニッポニア・ニッポン)」、新潟県の「県の鳥」(佐渡市と石川県輪島市の「市の鳥」)とされる鳥、『トキ』。新潟県佐渡市で飼育されていることは良く知られていると思うのですが、実は出雲市でも飼育されていることは、市民の皆さんもあまり知らないかもしれません。
出雲市西新町にある「出雲市トキ分散飼育センター」で、今年(2019年)の夏にトキの一般公開が始まるらしいとの情報を得ました。そもそもなぜ、出雲で「トキ」なのか? そのナゾを確かめるために、施設を訪ねてみました。
出迎えてくれたのは出雲市役所農業振興課トキ分散飼育係の梶谷さんと、飼育員の伊藤さん。
-- そもそも、なぜ出雲市が飼育をしているのでしょうか?。
梶谷)出雲市の友好都市である中国の漢中市との交流をきっかけに、漢中市にある陝西トキ救護飼養センターのトキ認養(飼育費の助成)を開始してから、出雲市でもトキを飼育しようという声が上がりはじめ、今に至ります。
梶谷)平成20年に分散飼育地としての決定を受け、平成22年度に出雲市トキ分散飼育センターが完成。
平成23年には佐渡トキ保護センターから2ペア(4羽)のトキを迎え入れ、出雲での分散飼育を開始しました。分散飼育地として、迎え入れたトキを1羽でも多く繁殖を成功させ、佐渡へ送り戻すのが我々に与えられた任務でした。
-- トキの飼育・繁殖は順調に進んだんですか?
伊藤)念願だった分散飼育が開始したものの、全くといっていいほどノウハウがない、一からのスタートでした。「先輩」である佐渡トキ保護センターへ問い合わせたりしましたが、佐渡でも起きていない現象が起こることが何度かありました。
伊藤)ひとつひとつ手探りで解決策を探る状況でした。とにかく何から手をつけて良いのかわからず、思い悩んで、夜もなかなか寝付けなかった時もありましたが、いつしか「自分たちで解決していくしかない!」と腹をくくるようになりました。
例えば給餌では、カロリー計算を徹底し、餌であるドジョウの摂取制限を行うなど、一歩一歩地道に出雲独自の飼育マニュアルを作り上げ、平成26年には、幼鳥6羽、若鳥5羽を佐渡トキ保護センターへ送り出すことができました。
--では、その後は順調だったのですか?
伊藤)トキの飼育をはじめて8年がたちましたが、今だに解決していない事が2つあります。
まず1つ目は、親鳥が産んだ卵を壊してしまう「破卵」対策。
そしてもう1つは、ひなに餌をやるときに、誤って砂をやってしまい、栄養がとれなくて死んでしまうこと。
この2つを解決し、さらに出雲市から1羽でも多くのトキを送り出したいですね。
-- ここで、実際に飼育しているトキを見学させてもらえることに……。
-- ネットにピントが合ってしまい撮影失敗。
今回は姿を鮮明に捉えることができず、皆さんにも美しいトキを紹介できないことが残念です……。
でも! ご安心ください!! 今年(2019年) 7 月1日の公開開始になります。ぜひともトキをその目で見て頂きたい! 7月まで待てないという方は、出雲市トキ分散飼育センターから徒歩300mにある「出雲市トキ学習コーナー」にて、飼育中の6羽のうち4羽のトキの様子をモニターで確認できますよ! なんと入場無料!! ぜひ行ってみてください!
佐藤の一言:日本の象徴と言われることの多いトキが、まさか出雲市で飼育されているなんて全然知らなかった! しかも、 出雲市トキ学習コーナーでモニター越しとはいえ、見ることができるなんて。これは見に行くしかない。8年もの間、職員の皆さんが苦労を重ねてきたおかげで、トキの未来はこれからも明るいものになるでしょう。
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