トキを増やせ!出雲市トキ分散飼育センターの試み!

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学名「Nipponia nippon (ニッポニア・ニッポン)」、新潟県の「県の鳥」(佐渡市と石川県輪島市の「市の鳥」)とされる鳥、『トキ』。新潟県佐渡市で飼育されていることは良く知られていると思うのですが、実は出雲市でも飼育されていることは、市民の皆さんもあまり知らないかもしれません。

 

出雲市西新町にある「出雲市トキ分散飼育センター」で、今年(2019年)の夏にトキの一般公開が始まるらしいとの情報を得ました。そもそもなぜ、出雲でトキなのか そのナゾを確かめるために、施設を訪ねてみました。

 

出迎えてくれたのは出雲市役所農業振興課トキ分散飼育係の梶谷さんと、飼育員の伊藤さん。

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-- そもそも、なぜ出雲市が飼育をしているのでしょうか?。

 梶谷)出雲市の友好都市である中国の漢中市との交流をきっかけに、漢中市にある陝西トキ救護飼養センターのトキ認養(飼育費の助成)を開始してから、出雲市でもトキを飼育しようという声が上がりはじめ、今に至ります。

貼り付けた画像_2019_04_05_16_12.jpg 梶谷)平成20年に分散飼育地としての決定を受け、平成22年度に出雲市トキ分散飼育センターが完成。

平成23年には佐渡トキ保護センターから2ペア(4羽)のトキを迎え入れ、出雲での分散飼育を開始しました。分散飼育地として、迎え入れたトキを1羽でも多く繁殖を成功させ、佐渡へ送り戻すのが我々に与えられた任務でした。

 

-- トキの飼育・繁殖は順調に進んだんですか?

 

伊藤)念願だった分散飼育が開始したものの、全くといっていいほどノウハウがない、一からのスタートでした。「先輩」である佐渡トキ保護センターへ問い合わせたりしましたが、佐渡でも起きていない現象が起こることが何度かありました。

 

伊藤)ひとつひとつ手探りで解決策を探る状況でしたとにかく何から手をつけて良いのかわからず、思い悩んで、夜もなかなか寝付けなかった時もありましたが、いつしか「自分たちで解決していくしかない!」と腹をくくるようになりました。

例えば給餌では、カロリー計算を徹底し、餌であるドジョウの摂取制限を行うなど、一歩一歩地道に出雲独自の飼育マニュアルを作り上げ、平成26年には、幼鳥6羽、若鳥5羽を佐渡トキ保護センターへ送り出すことができました。

 

--では、その後は順調だったのですか?

 

伊藤)トキの飼育をはじめて8年がたちましたが、今だに解決していない事が2つあります。
まず1つ目は、親鳥が産んだ卵を壊してしまう「破卵」対策。

そしてもう1つは、ひなに餌をやるときに、誤って砂をやってしまい、栄養がとれなくて死んでしまうこと。

 この2つを解決し、さらに出雲市から1羽でも多くのトキを送り出したいですね。

 -- ここで、実際に飼育しているトキを見学させてもらえることに……

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 -- ネットにピントが合ってしまい撮影失敗。

 今回は姿を鮮明に捉えることができず、皆さんにも美しいトキを紹介できないことが残念です……

でも! ご安心ください!! 今年(2019年) 7 月1日の公開開始になります。ぜひともトキをその目で見て頂きたい! 7月まで待てないという方は、出雲市トキ分散飼育センターから徒歩300mにある「出雲市トキ学習コーナー」にて、飼育中の6羽のうち4羽のトキの様子をモニターで確認できますよ! なんと入場無料!! ぜひ行ってみてください!

佐藤の一言:日本の象徴と言われることの多いトキが、まさか出雲市で飼育されているなんて全然知らなかった! しかも、 出雲市トキ学習コーナーでモニター越しとはいえ、見ることができるなんて。これは見に行くしかない。8年もの間、職員の皆さんが苦労を重ねてきたおかげで、トキの未来はこれからも明るいものになるでしょう。

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