【祝】「出雲の夕日にまつわるストーリー」が日本遺産に認定されたぞ! ちょっと待って!? 日本遺産ってナニ? ストーリーって?
オッス! オラ、佐藤!! 島根県出身、ロケットニュース24のライターだ。この「IZUMONEWS24」の記事も全部オラが書いてんだぞ! ちなみに島根県に関するあるあるを集めた『島根あるある』(TOブックス)って本も書いたぞ。
さて、そんな私に会いたいという人が出雲市役所にいると聞いてやってきた。その人とは、野口武人出雲副市長である! マジかよ、まさかこれって表敬訪問!? という訳で、早速市役所に突撃じゃいッ!!
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野口副市長が会いたいと仰っている。そう聞いた私は、着の身着のままで市役所まで来てしまった。本来であれば、正装で来るべきところ。せめてスーツくらい着用するべきなのだが、急ぎ過ぎてスーツを持って来るのを忘れてしまった……。40代の大人のあるべき姿ではないと、後から気づいた……。
ちなみにかけているのは、サングラスではなく、紫外線が当たると色が変わる偏光レンズのメガネである。いくら非常識とはいってもサングラスをかけて来たりはしない。あしからず……。
・副市長とご対面!
ご多忙を極める副市長は、私のために約1時間も割いてくれたそうだ。こんな私ごときに、貴重な時間を割いてまで。一体私に会って、どうしようというのか? とはいえ、日本のウェブメディア業界において、島根といえば私である! そこは胸を張って言おう! きっと何か意見を求めているに違いない。ということで、応接室で副市長とご対面!
・ロケットニュース24の読者だった!
野口副市長は大変気さくな方で、かねてから私のことをご存じだったのだとか。「ロケットニュース24も見てますよ。もちろんIZUMONEWS24もね(笑)」と明るく話してくださった。うれしーーーッ! くだらないことを追求していてよかった!
当然、私の普段の活動をねぎらうために、副市長は貴重な時間を割いた訳ではなかった。ここからが本題である。
野口副市長「ところで佐藤さん。佐藤さんは島根のことなら何でもご存じですよね? 出雲のことも」
佐藤「え? も、もちろんです。『島根あるある』を書いたくらいですから、私の知らないことは「島根にない」と思ってもらっても良いくらいで……」
マズイ……。副市長は今、何か重大なことを言おうとしている。さっきまでにこやかだったのに、今一瞬目がキラーン! と光ったぞ……。
野口副市長「最近のことなんですけど、日本遺産に “出雲の夕日” が登録されたことをご存じですか? 正確には、「日が沈む聖地出雲~神が創り出した地の夕日を巡る~」と言うのですが」
佐藤「え? 日本遺産? 世界遺産や国宝とは違うんですか?」
野口副市長「いっぺんにいろいろ聞いてしまってすみません。日本遺産はのちほど説明するとして、出雲の夕日にまつわる観光名所はご存じですよね?」
佐藤「え、ええ……。出雲の夕日は最高だと思っております……。観光名所といえば、アレですよ……。日本海のね、荒波にね……。オレンジに輝く夕日が……」
野口副市長「日本海が?」
佐藤「あの~、アレ? なんだっけなあ。あそこ! ど忘れしちゃったな~……。なんだっけ~……」
佐藤「すみません! 島根のこと、実はそんなに知りません! 出雲の夕日のこと、教えてください!!」
野口副市長を何も私を試した訳ではなく、日本遺産に登録された「出雲の夕日」のことについて、単純に意見を求めていただけだった。それを私がカッコつけて知ったかぶりをしようとしたばっかりに……。
・日本遺産に登録された「出雲の夕日」
島根在住の人でも、ご存じの方は少ないかもしれない。日本遺産に「出雲の夕日」が登録されたことを。実は日本遺産(Japan Heritage)の存在もまた、まだまだ全国的に知られていないのである。これは平成27年度に文化庁が創設したものだ。
具体的には、地域の歴史的魅力や特色を通じて、我が国の文化や伝統を語るストーリーを認定するというもの。これによって、地域が主体となって総合的に整備活用して、日本国内のみならず、海外へも発信し、地域の活性化を図ることを目的とされている。
平成29年度、その日本遺産に出雲の夕日にまつわるストーリーが認定されたのだ。
・出雲と夕日のつながり
出雲と夕日とのつながりは、歴史的に見ても古くから認められている。出雲大社はその昔「天日隅宮(あめのひすみのみや)」と呼ばれ、日御碕神社は「日沉宮(ひしずみのみや)」と呼ばれていた。稲佐の浜(薗の長浜)は、大国主命(オオクニヌシノミコト)が高天原の使者である武御雷(タケミカヅチ)と会見して、国譲り神話を繰り広げた舞台である。
このほかにも、日本の歴史と深く結びついた遺跡や歴史的建造物が数多くあり、それらは夕日と共にある。古来の出雲の人々は、夕日に畏敬(イケイ)の念を抱き、時に信仰の対象として敬っていたのだ。
これらの夕日にまつわるストーリーを、日本遺産に認定することは、出雲だけでなく、日本の歴史にとっても意義深いことなのである。
野口副市長「日本遺産に登録されたことを、出雲市民はもちろん、全国の皆さんに知って欲しいんですよね」
佐藤「なるほど、勉強になります。正直なところ、出雲神話も良くわかってなくて、どこから勉強して良いのか、わからなかったんですよ。この出雲の夕日にまつわるストーリーは、出雲神話や出雲の歴史を知るうえで、とてもわかり易い手がかりになりますね」
野口副市長「観光でも出雲大社や須佐神社に足を運ぶ人は多いんですけど、南北10kmにわたる稲佐の浜から見る夕日は、いつ見ても美しいし、日御碕灯台から見る夕日もまた格別です。せっかく出雲大社まで来ているのに、夕日を見ずに宿に帰ってしまうのは本当にもったいないと思っています」
野口副市長「夕日にまつわるストーリーを知った上で、実際に(夕日を)観てもらえたら、さらに強い感動を味わって頂けると思うんですよね」
佐藤「そうですね、出雲市民の皆さんもあらためてストーリーを知ることで、また違った夕日の見え方・感じ方をするかもしれないですね」
という訳で、出雲の夕日にまつわるストーリーは、日本遺産に登録された。いにしえから連綿(レンメン)と続くストーリーを知ることで、これまでとは違った夕日の神秘を知ることができるかも!
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