出雲市野口副市長を表敬訪問し、「出雲の夕日」にまつわるストーリーが日本遺産に認定されたことを知った。こりゃ絶対に見て帰らない訳にいかない！　そう思いながら、いろいろなところを訪ねまわったワケだが、夕方16時の段階でもう1つ行き忘れていたことに気づいた！　それはイカである。あそこで白イカ食わないと、せっかく出雲に来た意味ない！　イカ食ってから夕日を見に行くぞッ!!

・見どころが多すぎる

今回の旅程は割とタイトで、まず最初に野口副市長を表敬訪問。私のようなそこらへんにいるゴク普通のオッサンのために、副市長がわざわざ時間を割いて頂いたので、何をおいてもまず副市長に会いに行くべき！ ということで、真っ先に出雲市役所へ直行した。

そのあと粟津稲生神社で、参道を横切る一畑電車を見て、日御碕神社へ。そして月読神社に行き予定外だった登山をする羽目になる。ここで随分時間を費やしてしまった。仕方がない……。ここまでで16時頃。こりゃ余裕を持って夕日を見ることができそうだな。そう思っていたのだが……。

イカ食ってない!!　イカ食わないとッ！

私は上京して13年になるが、これだけは断言できる。島根のイカ、マジでうめええええ！ 東京にいると手軽にウマいイカを食える場所がない。海産物全般に言えることだが、築地や銀座の高級寿司屋に行くならべつとして、ちょっと魚食うかって気になれないほど、美味しいものを食べることができないのだ。

だから、今回は絶対にイカを食うと決めていた。

・イカ食いまくる！

ということで、月読神社から日御碕灯台へ直行。まずイカを食う。灯台はあとだ。

あったぜイカ！　こんなんフラっと来てサッと食えるなんて、マジで最高だ。焼きイカ1本400円。値段も良心的。地元の人には高いと思うかもしれないけど、この味と大きさで1000円以下ならマジで安いと思う。イカだけに……。

そしてまたイカを食う！ 近くの食堂でイカ御膳だ!!

白イカの刺身の美しきこと。透き通っているじゃなイカ！

また焼きイカ食うで。美味～！　毎食焼きイカでもイケるんじゃないか？ って気がしてしまうほどウマい!!

・実はスゴイ日御碕灯台

さて、存分にイカを堪能したところで、灯台に上るか。上って降りたら、夕日に良い頃合いだろう。ああ～、気が重たいなあ。ぶっちゃけ、日御碕灯台にはあまり良い思い出がなくて……。

出雲の人ならわかると思うけど、この灯台、きっと遠足とかで来たことがあると思う。階段がかなり急で、子どもの足で上るにかかなりハードだ。鉄製のらせん階段にスネをぶつけると悶絶する。マジで……。

それを約40メートルも上るんだから、大人でも息があがる。とは言え、この灯台、実はかなりすごいのだ。

・歴史的な建造物

1900年に着工して1903年に完成。ということは、今から110年以上前からここにある。1世紀を越えて海の安全を守っていることになる。経産省の「近代化産業遺産」と文化庁の「登録有形文化財」に認定されている、日本の歴史的に観ても、非常に価値の高い建造物なのだ。ガキの頃にスネを打ったからって、毛嫌いしている場合じゃなかった。

さて、そうこうしている間に最上段に到着。この日はあいにくの強風で、外も出てみると……。

日本海を一望できる。白波こそ立っていないが、かなり風はキツイ。そういえば……、高所恐怖症だった。怖い！　下を見れねえ!!

出来れば晴天の昼間に来ることをオススメしたい。抜けるような青空と果てしない海原を臨むには、最高の場所だ。この後、もう1件寄り道をして、稲佐の浜に向かう頃には、雲も流れて夕日を見るのに絶好のコンディションに！

今がチャンス！　素晴らしい写真が撮れること間違いなしだ。日頃の行いも良いから、芸術的な夕焼けを拝めるに違いないぞ！　安全に注意しながら、車でGO！

ところが……。

空の色は美しいんだけど、ちょうどいいところに雲がかかってる。

まるで、一番いいところで「この続きはまた来週！」みたいな終わり方をするテレビ番組みたいじゃないか。

今風にいうなら、「続きはウェブで！」みたいな感じ？　ウェブじゃなくて、今ここで見せろよッ！

ということで、一番いいところを見逃しました……。

ゆっくりイカ食ってたから、こんなことになってしまったのか。

もう少し早く来ていたら、雲のうえから顔を見せている夕日を見られたのに……。

夕日はまばたきしている間に沈んでしまうから、絶景写真を撮りたい人は、時間に余裕を持って行動しよう。イカに気を取られるなよな！