1つのご縁から
1000人の子宝を結ぶ

堀江 昭佳

出雲市大社町出身。大正13年に創業した堀江薬局の4代目。薬学部を卒業後、薬剤師となる。その後、東洋医学・漢方の根本治療に魅力を感じ、本場中国の漢方医から漢方を学ぶ。自社では婦人科漢方をメインとして、不妊に悩む女性の漢方相談等を行っている。

大正13年創業、老舗薬局の
経営危機を救うために帰郷。

大社町で生まれ育ち、保育園から高校まで、全部「大社」なのでまるでエスカレーター式みたいです(笑)。しかし「田舎ってつまんないなー」と思っていたので、大学は薬学の勉強をしに福岡へ行き、大学院は東京へ。その後も、東京で薬剤師の仕事をしていました。全く、地元へ戻る気はなかったのですが、家業の薬局の経営が困難極まりなく「帰ってきてくれ」と両親から泣き落としにあい、仕方なく…。27歳の時に地元へ戻ってきました。

いざ、赤字の薬局を経営するに当たり「さて、どうしよう?」と思いました。当初は非常にシビアな状況でしたが、本当にがんばりました。たくさんの方にさまざまなことを教えていただいたり、応援していただいて、なんとか踏みとどまることができました。おかげさまでいまでは借入金の返済も終わり、経営も順調です。

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友達への不妊相談がきっかけで
婦人科漢方専門店へ導く

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経営を行う傍ら、漢方の先生に付いて漢方の勉強も行っていました。そんな矢先、福岡時代の女性の友達から「赤ちゃんが出来にくいって言われて…どうしたらいいかな?」と相談がありました。そこで、彼女の状況や容態を聞きながら漢方を渡しました。そしたら1年後に幸いにも妊娠して、無事出産できたのです! 彼女が記念すべき不妊漢方1番目のお客さんでした。自分自身も本当に嬉しくて、彼女に体験談を書いてもらったのです。そうしたらA4の用紙にビッシリと感想を書いて送ってくれました。その内容は衝撃でした!『不妊ということを、こんなに悩んで不安に思っていたんだ。そして妊娠・出産できて、こんなに喜んでもらえるんだ。』と、いろいろな思いや気持ちが自分の中であふれました。

自分はこれまで経営者として薬局を運営し、借金や売り上げのことが、いつも頭に付きまとう日々。人間は、キレイごとだけでは生きていけないのです。しかし、ちょうど経営がうまく回り始めたときの出来事だったこと、そして彼女が心から喜んでもらえたことで「お金じゃないモノがココにある!」と確信したのです。そして「不妊漢方をやろう!」と思いました。それが、平成18年のことです。

しかし「不妊漢方」を掲げたものの、簡単にお客さんは来てくれません。当時は「妊活」とか「ベビ待ち」という言葉もなく、妊娠できない女性は「どこの病院に行ったらいいのか?」「誰に相談したらいいのか?」分からない状況。一人で悶々と悩んでいる状況だったと思います。

そんな時に、おもしろい現象が起きました。地元の薬局店ということもあり、近所のお客様が多く、町内の方が不妊漢方の相談に来てくださいました。そしたら妊娠し、赤ちゃんが出来たのです。そうすると、その方が隣の人に話をしてくれる訳です。そうすると紹介を受けた人も妊娠・出産して~という具合に、隣近所の人が連鎖のように妊娠・出産をすることとなり、瞬く間に口コミで広がっていきました。同時期にホームページをつくると、不妊漢方の検索エンジンでトップになるほどでした。

あと「場所」も良かったと思います。ここは「出雲大社」のお膝元。言わば、縁結びの地です。縁結びで子宝に恵まれるってパーフェクトじゃないですか! こればかりは創業してくれた曽祖父に感謝です(笑)。

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縁結びの地、出雲大社のお膝元で
子宝縁結びセミナーを開催中

現在は「婦人科漢方」を掲げ、相談を行っています。希望の方には最初、必ず出雲に来ていただき、お会いしてカウンセリングをします。なぜなら実際に顔を見て、体質や生活習慣を聞き、その方の状態を知りたいからです。どんな人か、どんな状態か分からない方には漢方の相談はできません。あと僕との相性ですね(笑)。疑ってかかるような方は止めた方がいいかと思います。そして、初回の相談が終わると、毎月1回、電話で状況を確認していきます。病院での治療が変わったり、体調が変化すると漢方の相談も変わっていくからです。

この7年間で不妊漢方を受けられた方で850人の女性が、そして昨年1年間では216人の方が子宝に恵まれました。おかげさまで、近年は漢方相談がいっぱいとなり、新規の対応ができない状況です。

現在は「縁結び出雲の子宝リトリート」という滞在型セミナーを行っています。そのセミナーは、まず大社に来て泊まっていただき、ワークショップやセミナー、ヨガをしたり、「ベジカフェまないな(大社町にある地元食材のやさい料理がたのしめるお店)」でランチを食べたり、大社を楽しみながら1泊2日、不妊に悩んでいる方たちと過ごすのです。参加された皆さんは、このツアーで解放感を感じたり、同じ悩みをもつ同士で語り合ったり…、そうすることで心が穏やかになります。ココロもカラダもスッと楽になると、漢方も効きやすくなると思うのです。現在は、このツアーに来られた方のみが新規のお客様として相談しているところです。

手軽に漢方を始めたい方には「ご縁授茶」という薬膳茶を店頭とネット販売で用意しています。これは女性のカラダによい生薬を「出雲紅茶(出雲産の紅茶。穏やかな風味とほんのりとした自然な甘みが特徴)」に入れています。このお茶だけでも「カラダが改善された」「妊娠した」という喜びの声をいただいていますよ。

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「血流」に注目して
女性のカラダ改善バイブル本を出版!

平性28年に『血流がすべて解決する』という本を出版し、現在20万部を突破しています。そもそも婦人科は「血」をみています。それを基に、薬剤師として「血」をメインとした女性の健康法を書いています。例えば、女性の場合は血液サラサラではなく、血流や増血が大事! 妊婦の貧血率を見ると、先進国は最悪と言われています。日本の女性は特に筋肉量が足りないので、運動や食べ物を日ごろから気を付けたいものです。

これまで、不妊漢方やお茶を飲まれた方で妊娠・出産された方が、今年で累計1000人を超えそうな勢いです。その次は1万人を目指しています! しかし1万人という数字は並大抵ではなく、今までと同じやり方ではいけないと思い、目下思案中。これからも、いろいろな方と出会い、その方の子宝を願い、漢方薬剤師としてお手伝いできればと思います。

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出雲人が薦める出雲

命主社
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命主社(いのちぬしのやしろ)という名前からも推測できるように、子宝の御利益を感じる神社で、すごく好きな場所です。県外から来られる方にもオススメしています。地元では「いのっつあん」と呼ばれ、宮参りなどで参拝します。

高田屋の最中「雲太」
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高田屋さんは創業180年の老舗和菓子屋さん。たくさんある和菓子の中でも最中の「雲太」が大好きです。中にはつぶ餡がぎっしり詰まっていて、甘みがある最中です。

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