2005年、はじめて日本に旅行へ来たときのことです。成田空港から東京へ向かう道中、町並みを眺めていたら、田んぼの中に小さな一戸建ての家が連なるのを見て『きれいな街だな。こういうところに住みたい』と思いました。一方、東京はスタイリッシュなところが良くて、ますます日本に興味を持ちました。

韓国ではＩＴ系のゲーム開発会社に勤務していました。そのときに日本のＩＴ技術者が足りないということで、韓国のＩＴ技術者が日本のＩＴ企業で働くというプロジェクトがあったのです。就労ビザも取得しやすく「日本に行ける！」と思いプロジェクトに参加しました。日本語の勉強も行い、2007年に来日しました。

東京ではＩＴ系の派遣会社に勤め、最初は東京、そして横浜市、福岡にも派遣で行きました。しかし、リーマンショックの影響で、会社が倒産。その後、日本でつながりのあった人たちと一緒に山梨へ行き、ＩＴ会社に勤めました。そして山梨で知り合った妻と結婚。妻の実家がある出雲市で暮らすことになったのは2014年のことです。

ソウルで長く仕事をしていたこともあり、どちらかと言うと便利でおしゃれな都会暮らしが好きで、東京に憧れて来日しました。しかし日本で暮らしていくうちに、なぜか山の緑の風情が好きになりました。なので、出雲で暮らすことは全く抵抗はなく、どちらかと言えばＩＴ系の仕事に就けるかが心配でした。インターネットで企業情報を調べ、（株）バイタルリードの就職が決まり、妻の実家に入り暮らすことになりました。

日本に来てから珈琲にハマり、東京ではスターバックスやタリーズなどを飲んでいました。出雲に来てからは趣味が高じて焙煎機を購入し、珈琲豆を自家焙煎しています。

好きな豆はエチオピア産。その生豆を自分好みに深煎りしています。やっぱり自家焙煎すると香りが際立ち、購入する豆とは違いますよ！ まだ自己満足の域ですが、焙煎した珈琲を会社にもっていき飲んでもらっています。もっと皆さんにもお出しできるように、深みが出る味わいを極めていこうと思います。

出雲に来て、ますます田舎が好きになりました。都会にはなかった、近所の方とのアットホームなつながりや、ゆっくりと流れるような時間がとても新鮮です。山の緑が好きな自分にピッタリの土地でした（笑）。

また、出雲でのＩＴの仕事は今までの仕事と全く違っていました。これまでは、特殊なシステムを開発し、そのシステムの追加や不具合の対応がメインでしたが、今は公共交通コンサルティングが多く、案件ごとに全く違うシステムを開発しています。

新しいモノやコトを常に見つけて考え、システムに取り入れなければいけませんが、新しいことをするのは楽しく、何よりも地域の人の役に立てていると思うとやりがいがあります。