人×人、人×地域
ワクワクが生まれる醗酵のラボカフェ

まき ともこ

牧 知子

(醗酵文化研究所)

出雲市出身。東京で会社員として働きながら、しまコトアカデミーに参加。出産を機に2019年に地元出雲市にUターンした。2020年6月に、人と人、人と地域の交流を目的としたレンタルスペース&カフェをオープン。年間を通して、さまざまなイベントやワークショップを行っている。

都会での多忙な日々で出会った「しまコトアカデミー」

「醗酵文化研究所」という名前から、醗酵食品を扱っているお店と思われることも多いですが、地域や人と人をつなぐことで、ワクワクするような化学反応(醗酵)が起きる場所という意味でつけられた名前です。思えば私とこことの出会いも、そうした化学反応のようなものでした。

私の実家はここからすぐ近くで、高校卒業までこの地域で過ごしました。大学進学を機に上京して、卒業後は東京の広告会社に就職。フリーペーパーなどを発行する当時のベンチャー企業的な会社で、私は企画営業を任されていましたが、さまざまな業務を兼ねていたので本当に毎日忙しかったです。仕事の幅もどんどん広がっていって、結果的に12年くらいそこで働いていました。

ある時、品川で開催された「地域仕掛け人市」というイベントになんとなく行ってみたんです。そこで出会ったのが「しまコトアカデミー」でした。しまコトアカデミーは、地域や島根に貢献したい、関わりたいという人たちが集まるソーシャル人材育成講座で、それまで特に島根や地域に興味があったわけではなかったんですが、話を聞いてたらすごく楽しそうで興味をそそられて。東京での会社員生活にも少し疲れを感じていたのかな、ちょっと違う世界を見てみたいという気持ちもあって、参加することにしたんです。

その後、会社を辞めて少し間を置き、次はせっかくだから島根に携わる仕事をしたいと思ったので、しまコトアカデミーの運営会社の社長に相談してみたんですね。そうしたらちょうどしまコトの東京事務所を立ち上げる話があり、運良くそこで働くことになりました。

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妊娠を機に考えるようになった島根への移住

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島根に帰ろうと思ったきっかけは子どもができたこと。私も主人も、東京で子育てをするというイメージが湧かなかったんですよね。主人は出版関係の会社でデザインの仕事をしていたので、どこにいてもリモートで仕事ができるし、二人とも東京で結構やり尽くして満足していたこともあり、育休中に、ちょっとお試しで出雲の実家に帰ってみたんです。そしたらあれよあれよという間に移住する流れになっていって(笑)結局東京を引き上げて、出雲で暮らすことを決めました。

ここ「醗酵文化研究所」のことは、東京にいた頃にしまコトのつながりで聞いていました。空き家だった築150年くらいの建物をリノベーションしてレンタルスペースにするという構想を聞いて、「え、実家のすぐ近くだ!」と興味を持っていたので、出雲に戻ってからここがどうなったのか聞いてみたんですね。そしたらちょうど運営する人を探していると聞いて、じゃあやらせてください!みたいな(笑)

当初は主人がここでデザインの仕事をしながら管理人も務める計画だったんですが、ちょうどコロナ禍に入り、レンタルスペースの需要がなくなってしまったんです。でもせっかくのスペースなので、コーヒーでも提供できないかと。もともと主人は料理が好きでしたし、コーヒーをこだわって淹れるというのも興味があったようで、出雲の珈琲屋さんで習って、カフェをはじめることにしました。

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カフェと育児、島根だからできる暮らし

私は育休が明けて松江の本社の方に通勤していましたが、主人と一緒にカフェをやろうと決めて退職。さまざまな試行錯誤を重ね、近所の方たちに試食をしてみてもらい、運営の話をもらってわずか4ヶ月後の2020年6月にカフェをオープンしました。

高校時代まで過ごしていた場所なので、このあたりの方たちも昔から知っている方ばかりなんですね。その頃はちょうどコロナ禍でお店をやるのも一苦労、皆さんに気にかけてもらいすごく支えてもらいました。地元であるこの場所でなければできなかったことだなと感じます。

それから徐々にメニューを増やしていって、今は「醗酵」をテーマに、スイーツやドリンクのほか、昔ながらの喫茶メニューも提供しています。祝日を除く火曜日から土曜日まで営業しながら、今オープン4年目になりました。子育てをしながらなので結構ヘトヘトになりますが(笑)でも実家が近いのでサポートもありますし、暮らしと仕事が一体化しているのでやりやすさも感じています。島根だからできている暮らしなので、あのまま東京にいたらどうなっていたんだろうって思いますよ。

もちろん、もともとの目的であったレンタルスペースとしても活用してもらっています。ちょっとしたイベントやワークショップ、ウクレレレッスンやピラティス・・・レンタルキッチンもやっているので、料理教室にも使ってもらって、1年を通して結構盛りだくさんですよ。

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大人も子どもも集う、もっと醗酵できる場所に

最近では、不登校についてゆる〜くおしゃべりする会として「まちの保健室」もはじめました。元養護教諭のマコ先生に来ていただいて、お茶を飲みながら話をしたり、悩みや相談を聞いてもらったり、気軽に参加してもらうスタイルでやっています。今の時代、不登校に悩むお子さんや保護者さんも多いので、そういう方たちの拠り所になれたらと思って。現代の子どもたちは私たち世代の頃とは悩みも変わってきていますよね。繊細な子も多いですし、子どもたちの可能性を広げるきっかけを作れたらと。

今後やりたいことの一つですが、高校生までの子どもたちを対象にしていろんな職業を知ってもらえる、ハローワーク的なことができたらいいなって考えています。私も学生の頃は世の中にどんな仕事があるのかよく知らなかったんですね。それで進路を決めろと言われても、何をどうしていいのか分からないし、特に田舎にいると、学校の先生とか看護師さんとか公務員とか、名前がはっきりついているような職業じゃないとピンとこないですよね。もっと世の中のいろんな職業を知って選択肢を広げられるように、いろんな大人がいて、いろんな生き方があるよってことを子どもたちに伝えられる機会をこの場所を使ってやってみたいです。そんな風に、これからもここにいろんな人が来て、そういう“醗酵”をたくさん起こしてほしいと思っています。私自身、ここにきて想像以上に化学変化をしながら、全てが思いも寄らない方向に進んできたので(笑)

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出雲人が薦める出雲

推拿セラピー「楽土」
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ここの2階にあるリラクゼーションサロンで、身体が疲れた時やちょっと頭痛がする時などに利用させてもらっています。自分の気になっているところを丁寧に揉みほぐしてくれて、効果てきめんで楽になります!

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本町商店街にある、古書と新刊を扱う本屋さんです。Iターンのお二人が経営されていて、置いてある本のセレクトがすごくツボで(笑)お店の居心地も良くて、本を見に行ったり、オーナーのお二人とのお喋りを楽しんだりしています。

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