創造するドラマの世界を
アートを通して発信したい

なおら ゆうすけ

直良 有祐

(IZM designworks株式会社)

専門学校卒業後、東亜プランへ。1993年スクウェア(現スクウェア・エニックス)へ移籍。アートディレクターとして「ファイナルファンタジー」シリーズに参加。2016年に出雲へ帰郷。フリーランス期間を経て、地元の出雲市でIZM designworks株式会社を立ち上げる。

好きだった絵を生かし
ゲームの世界へ

子どもの頃はノートに落書きをしたり、母親が営業していた喫茶店のマンガを読みまくり、見よう見まねでイラストを描いていました。将来はぼんやりと「絵を通した仕事に就ければ」と思い、東京にあるアート系の専門学校へ行きました。就職は絵とゲームが好きだったので活かせるゲーム制作会社へ行きました。

しかし、続けていたバンド活動にのめり込み、仕事を辞めてアルバイトをかけ持ちしていました。21歳の頃です(笑)。しかし、そう長くは続かず定職に就かなければならなくなりました。

そして「ドラゴンクエスト」「ファイナルファンタジー」などのゲームソフトをつくっているスクウェア(現スクウェア・エニックス)にタイミングよく就職できました。その頃は、ファミコンからスーパーファミコンに移り変わる頃でした。最初は点で絵をつくる「ドット絵」を受け持ちました。要は技術屋ですね。

時代がプレイステーションに代わったときに、3DCGと言い、いわゆるコンピューターグラフィックスを駆使したものに入れ替わりました。その流れで、ファイナルファンタジー7のアートディレクターをすることとなり、仕事がガラリと変動。ここが自分の転機でしたね。デザイナーだけでざっと500人も関わるため、イメージ画やデザイン画の腕や人に伝える能力を試されるわけです。自分がこれまでやってこなかった全てのことが要求されました。そういう意味で、スクウェアではアートチームをつくったり、デザイナーの統括を務めるなど、24年間いろいろな経験をさせてもらいました。

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拠点は出雲、仕事は東京
出雲神話をゲームのコンテンツへ

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出雲に戻ろうと思ったきっかけは、母親が亡くなったからです。「長男だから!」という田舎のあるある的な考えです。しかし、先々を考えるきっかけにもなりました。出雲へは2016年に帰郷しました。

恵まれていることに前職の先輩・後輩・同僚が、GungHo(株)や(株)DeNA、(株)バンダイナムコなどいろいろな会社に勤め、それなりのポジションになっていました。それらの会社と、フリーランスで仕事をしながら2016年にIZM designworksを立ち上げました。

前職と変わりなくデザインイラストなどは引き続き描いていてゲームに入れ込むキャラクターデザインや、イメージイラストなどの仕事もしています。iPadがあれば飛行機の中でも、どこにいてもイラストが描けますし、データ納品なので、どこに暮らしていても仕事ができるのです。

またFGOという若い人たちに人気のあるゲームをつくっているディライトワークス(株)という会社のクリエイティブオフィサーも兼務しています。そこでは、自分のコンテンツをつくりたいということで、神話をモチーフにしたアイデアを練りだしています。

出雲には神話がたくさんあります。しかし、そのまま打ち出してもエンタメにしづらく、まして上物だけ借りて出雲を利用することは地元の人間として好ましくないので、神話の魅力が伝えられない状態でアウトプットはしたくありません。そこで、今はロケハンや研究を重ね、どのドラマが今の人に一番響くかを探求中です。そのため月の半分は出雲、半分は東京で、行ったり来たりの生活をしています。

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NBAを見て息抜きタイム。
やっぱりエンターテイメントが好き!

身長が高いので、よく「バスケットをしていますか?」と聞かれますが、30歳になってからバスケをはじめました(笑)。しかしデビューが遅かったせいか指を骨折したりして(笑)。なぜバスケが好きになったかというと、前社で映画をつくるためにアメリカのホノルルにオフィスをつくり、3カ月間暮らしていました。その時、マイケルジョーダンの全盛期で、NBAにはまったのです。最初はブルズのファンでしたが、それからいろいろなチームの試合を見るようになりました。クリエイティブなプレイを見たとき〝これを人間がやってるんだ!!〟と思うと鳥肌が立ちます!アメリカのバスケはエンターテイメントで、社会貢献も行っているところを自分も見習いたいと思っています。

それと、自分の好きなことを仕事にしているので、アイデアが詰まると何もかも詰まりやすくなります。生みの苦しみは傍から見たらただのポンコツですよ(笑)。床と一体となりゴロゴロしています。なので、換気口は開けておかないといけなく、詰まったときにバスケを見たりしています。

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創造する力を出雲で育てたい
出雲でアートのハブ会社になる!

自分の根っこは「モノをつくる」ことです。キャラクターを描くのにも、それぞれの性格や暮らしなどの背景を必ず創造し、それを踏まえてつくりあげます。キャラクターにもドラマがあり、その中のアート性を大事にしてきました。

それに付随するのですが、今、出雲市の地元の方と挑戦してる商品開発も「ドラマ」が大切と考えています。商品を買いにくるお客さんが「どういうストーリーで訪れたか?」「どう反応するだろう?」など、想像しながら提供したいのです。本業とアウトプットの仕方が違うだけで、基本は同じです。

あと、出雲で絵やデザインへの理解をこれから拡げていきたく、これまでそれなりに実績を作って戻って来れた思っているので、いろいろな方々とお会いし、情報を得たり、発信を行うなど、この会社がハブの役目になればいいと思っています。

ここでアートを修業して都会に腕試しに行くのもよし、ここで世界や日本を相手にする仕事をしてもいいのです。この仕事の興味がある人は、ぜひ門を叩いてください!来るものは拒まずです。

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出雲人が薦める出雲

空と雲
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空が好きです。その中でも雲の合間から見える虹彩(こうさい)に感動します。「八雲」と昔から言いますが、太古の人も虹彩を見ていたと思います。子どものころは誰かがあの光の下で天に召されていると思っていました(笑)。

なんでもある自然
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20分圏内に山、川、湖、渓谷など、ほど良い自然が全てあり、気分転換に最高です。夕景を見たり、土手を歩いたりと自然にふれるとリフレッシュできます。

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