魅力的な自然や生き物に触れて
ワクワク・ドキドキが指先から溢れ出す

たまき きくよ

玉木喜久代

(たまちゃんアートファーム代表・イラストレーター)

松江市出身。出雲市斐川町在住。 松江商業高校卒業後、愛知県のDENSOに就職。 3年半後地元にUターンし、島根県職員として働きながらイラストを描き始める。 平成26年に定年退職し、たまちゃんアートファームを立ち上げ、イラストレーターとして活動中。農薬不使用の畑で作った野菜の販売もしている

目で見て指で触って
大好きな生き物への想いが指先から溢れ出る

私のイラストは生き物や幼虫、菌類などがモチーフになっているものが多いんです。とにかく小さい頃から生き物が大好きでした。

母から聞いた話ですが、物心つかないような頃から近所のおばちゃんに「虫ちょうだい!」って言いに行ってね。「なんぼでもあげーわね!」ってキャベツについた青虫をいっぱいくれたそうです。それを両親には捨ててこいなんて一切言われたことがなくてね。流石に押し入れで飼おうとしたのはやめさせたらしいですけど。

芋虫のいっぱい足があるのが面白かったのかな。さなぎになるまで世話をして、蝶々になったら放してましたね。

今もしてるけどアゲハがやっぱり好きだなー。アゲハの幼虫はつつくとツノを出すんだよね。生き物の生態もいろいろあって面白いですよ〜

父が警察官で母は助産師という忙しい家庭で育ったけど、夏休みになると父の故郷の海士町に行っていました。海岸でウミウシと遊んでいたのはいい思い出〜。ウミウシ大好き!可愛くない??そういう生き物をいっぱい触って成長しました。

生き物や自然と触れ合った体験は、かけがえのない宝物ですね。

そんな自然や生き物大好きな私が結婚して、ここ斐川に嫁いできたらもう天国ですよ!

周りは田んぼに畑だらけで、斐伊川も近くにあるし。小川もある。

そこらへんの小川で産卵するから小さい亀やスッポンをよく見かけるんですよ。義父が畑から持って帰ってくることがありましたが、そのうちのスッポンの一匹が今飼っている”ステファニー”です。

義父は昔酪農もしていたから牛も飼っていたんですけど、私が新婚旅行から帰ってきてすぐに牛が出産したんです。子牛を引っ張り出して大感動!!そんな経験なかなかできないからね〜。

 

自然のものを見たり触ったり嗅いだり・・・それがずっと頭に溜まっていって、指先から飛び出してイラストになったんですよ。

 

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溜まりに溜まったフラストレーションを爆発させて

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絵を描くことは小さな頃から好きだったし、大好きな虫の絵をずっと描いていました。県職員として働いていたんだけど、絵がどんどん溜まっていくから個展がしたくなっちゃって。
それが34年前くらいのことかな。今井書店殿町店の3階で晴れて個展を開くことができました。50点くらい飾ったかな。

個人的な絵以外でも県のパンフレットの挿絵とか、ちょこちょことは依頼されたものなどを描いていました。
ただその頃はフルタイムで働いていてとにかく子育ても忙しく、ちょうど三人目の子供が産まれたくらいだったかなぁ。頭の中がグジャグジャになって、どうにもならない想いを絵に描いて発散させていた日々。その頃は午前2時〜4時が私の創作時間でした。
明け方に指から止めどなくアイデアが溢れ出てきたんですよ。ただ私は手を動かしていただけ。ある意味フラストレーションが良かったのかもしれません。指からいままで見たこと無いようなイラストやキャラクターがとめどなく溢れてきました。

平成26年に定年退職して大手をふって活動できる!と、“たまちゃんアートファーム”を立ち上げました。
義母は起業には反対でしたがお互いに言いたいことを言える関係だったので、自分自身のやりたいことへ進むことを決めました。
義母と一緒に買い物に行くと、お店の人からよく嫁だと思われないんですよね。実の娘だと思われてる(笑)

でも改めて思い返してみると、義母がいなかったら今の作風はなかったですね。むしろ幸せすぎたら描いていなかったかもしれなかったですね。(笑)
義母がなくなったときに感じたのは、やはり寂しいということでした。

いろんなことの感じ方が全く違う相手とたくさん話しをすることが、日々が大切だなと思いました。

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独身時代、子育て時代、そして今・・・

高校卒業後は愛知県のDENSOという会社の実業団で走っていました。その頃は女子駅伝があまりなかったから、私は800mと1500mの選手でした。中学時代から走っていて走るの大好きでしたね。県職員になってから、昼休みランは50歳くらいまでしていました。出張に行ってもシューズは必ず持って行って走るくらい日常でした。今は全然(笑)県職員の最後あたりは飲んでばっかりおったけん。

若い時は単純な勢いのある絵を描いたかなー。黄色いのがニョキニョキ出ている絵があるんだけど、その時の精神状態が出るね。3部作で「絞り出そうぜ」って言うタイトルなんだけど。絞り出したかったのかな。子供の頃からきんとんを作っているんだけど、まさにそのイメージ。勢いがあるっていうのはそういうのなんだけど。若いですよね!30代の頃です。

歳取ったらどんどん細かく描くようになってきたね。とにかく絵は指から湧いてくるもの。

今私がイベントで座っていると「どんな方が描かれるんですか?」なんて聞かれるんですよ。
だいたい店番だと思われてる。「え?わたしですけど?」みたいな(笑)竹の子とかのフォルムも大好き。菌類も好きですね〜。好きすぎて就職して初ボーナスで顕微鏡買いましたもん。

子供は4人いるんだけど、子育て時代には子供の足の裏に絵具つけてバーって歩かせたりもしましたね。今はそれぞれ別々の道を歩んでいますが、一番下は面白い絵を描くんです。前に私と二人展もしたこともあるよ。今後も何か一緒にできたらいいなと思いますね。

今は、出雲表現部という魅力的なグループに所属しています。コロナも落ち着いたし、いろいろなところで面白い事を企画していきたいですね。

出雲の中町商店街の「醗酵文化研究所」と「レンタルスペース naka-ichi 」に作品を展示してもらったんですよ。県内外の方がたくさん来て、買って帰ってくれました。滋賀県の酒屋さんなんて、立ち飲みのお店のところに飾りますって言ってくださって。

沁みていくように全国にそして世界へイラストが広がっていったらいいなと妄想しています。

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大好きなこの土地で
野菜作りと創作活動ができる幸せ

義父が亡くなったのが12年前で、その時から主人が農業を継ぎました。斐伊川沿いにある自宅の敷地内の畑で2人仲良く作業しています。ファームのほうの私の仕事は、引っこ抜いたり飾ったり主人をけしかけたり(笑)

 

主人が継いでからはずっと無農薬でやってきました。鶏糞や堆肥を使った栄養豊富な土壌です。草も育ててますけどね。

 

野菜は市場には出さず契約したレストランやマルシェで販売しています。直接顔が見えて、お話しできるのがすごく楽しいですね。

 

250種類くらい少量多品種の野菜を育てています。トマトも6種類くらいあってマイクロトマトという5mmくらいのトマトもあるんですよ。

 

本当にこの場所が最高!斐川の出東地区はあんまり開発されないので、昔から田植え時期の夕暮れ時に帰ると、田んぼの水に家が浮かんでいるみたいな風景が大好き!

 

この地でこれからもいろいろな魅力的な生き物(人間を含む)・植物・風景とともに過ごし日々指先から湧き出てくるものたちにワクワクしながら生きていきたいと思います。

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出雲人が薦める出雲

中町商店街
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出雲駅近くのかわいい商店街。
新しいお店や面白いお店が結構あるんですよ。
その中でも「醗酵文化研究所」や朝日酒造さんがされてる「レンタルスペース naka-ichi 」には面白い人がたくさん集まってきます。
これからもっと賑やかになるといいなと思いますね。

旅伏山
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家の前の道から見える山です。出雲は雲が綺麗ですよね。
麦秋の頃、湧き出る雲と一緒に水田にうつる旅伏山に心踊ります。

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