アイデアは人生を
飛びっきり おもしろくする。

土江 光二

(有限会社土江重機)

出雲市平田町出身。若い時に建設業や飲食業など多くのバイトを経験。その後、重機を用いた仕事で独立。平成13年に有限会社土江重機を設立する。「エコハチ eco8」 やカーボンオフセット事業などに積極的に参加し、環境に良い取り組みを推進している。出雲大社神門通りにある塩店「出雲かみしお」を経営。

困ったときに生まれるのが発明
経費節減から生まれた「エコハチ(eco 8)」

若い時は、さまざまな仕事をしていました。道路工事やビリヤード屋の店員、運送業に飲み屋のアルバイト―。その中でも建設業に携わり、重機に乗る仕事が多かったこともあり29歳の時に独立しました。その後、平成13年に法人化を。今も変わらず、建設機械を使った重機の仕事を行っています。造成工事や高速道路の下請け工事などがメイン。トラック班と重機班とに分かれ、重機で山を崩し、その土をトラックが運ぶという流れです。

年々、仕事は増えましたが、燃料が高騰し“経費削減”をしなくてはならなくなりました。その時に「そうだ、重機のダイヤルを制御しよう!」と思い付いたのです。一般の車はアクセルペダルで速度(パワー)を調節できるのですが、パワーショベルなどの重機は手元のダイヤルがアクセルになっていてパワーの調整ができなく、いつもマックスパワーで動いているのです。

そこに着目して、ダイヤルを全開する少し手前、8割のところで強制的にスイッチを止めるストッパー装置(カバー)を付けたのです。これがエンジン出力制限カバー「エコハチ(eco 8)」です。

エコハチを全ての重機に取り付けたことで燃料節約、経費削減ができました。それと、全出力で重機を動かさないということは、同時に二酸化炭素の排出も押さえているので、結果的に環境にも良いことだったのです。

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「エコハチ(eco 8)」を手に取り説明する土江さん。写真は「NPO法人サポートどりーむ」とのコラボレーションにより塗装されたモデル。

カーボンオフセットの数値化で
目に見える環境に良い活動を

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エコハチでの経費削減から始まり、環境に目を向けたときに「本当に自然を守ることは大事なこと」と思うようになりました。子どもや孫の世代のためにも地球環境を良くしなければなりません。

その中で、近年は「カーボンオフセット」の取り組みも行っています。カーボンオフセットとは、 人の暮らしや経済活動を通して排出された二酸化炭素などを、植林や森林保護、クリーンエネルギー事業による削減活動と取引をして、二酸化炭素を減らす仕組みです。

要は、私たちのように重機を使うことで二酸化炭素を排出する業者と、間伐などをして森を守る森林保全団体が二酸化炭素の節減量(クレジット)を算出し、売買して、二酸化炭素を相殺していくことです。これは国の環境省や経済産業省が認定する制度となっています。

我が社はカーボンオフセットを6年前から行っています。先般は出雲市からもクレジットを買いました。カーボンオフセットも地産地消で行いたいと思っているので、島根県や出雲市、県内の業者さんのクレジットを買おうと思っています。

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出雲市から発行されたカーボン・オフセット証明書。

出雲の山には自然がいっぱい
子どもと清流探検へ

子どもが小学1年生で、休日になると一緒に「生き物探し」をしています。たも網を3~4つ車に入れて、山へ行き清流探検! そして川に入って石を動かし、生物を探すのです。亀を獲ったり、ナマズを獲ったり。持って帰る時もあれば川へ逃がすことも。

どちらかと言うと、休日が勉強かもしれませんね。出雲はまだまだ自然が多く、その中で過ごしていると、いろいろな発見があります。冬、雪があるときには野生動物の足跡が付いているのです。イノシシやシカやウサギなど…。おもしろいですよ。最初は子どもの勉強のため!と思っていましたが、最近は私の方が楽しんでいます。

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天王山から見下ろす出雲市街。「山や川、海。出雲は自然が多い」と土江さんは話す。

新しいことにチャレンジ
出雲だからできるビジネスチャンス

建設業も時代とともに仕事にも波があり、建設・土木事業にこだわらず「何か自分でできないだろうか?」と考えるようになりました。出雲大社の平成の大遷宮が執り行われた時に「出雲らしいお土産が少ないんじゃないか」と思ったのです。「ここにしかないもの…」と考えていた時に「稲佐の浜」の海水を使った塩づくりをしようと思い付きました。旧暦の1010日に神々がお越しになる(神迎神事)「稲佐の浜」の塩はご利益がありそうですよね!

塩づくりは時間がかかり、海水を汲み上げ、火で焚いて徐々に海水を蒸発させていきます。仕事の合間での作業となるので、初めのころ従業員は「何をしてるんだろ?」という目で見ていましたね(笑)。当初は建設現場の地鎮祭などのお清めのもり塩として提供していましたが、ご縁があり大社の神門通りで「出雲かみしお」という店を構えることができました。大社参りのお土産として「お守り塩」などを並べています。出雲に来てもらうことを一番の目的としているので、他で店は出さず、神門通り1店舗のみで営業を行っています。

最近、農業もはじめました。塩をつくっていると「にがり」ができます。この「にがり」を何とか活用できないかと「にがり米」を栽培することにしました。稲佐の浜の塩からできた「にがり米」は、縁起モノとして将来的にブランド米にしていきたいです。

これらに加え、今やりたいことがいっぱいです。一つずつですが、もっとカタチにしてきたいです。

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稲佐の浜の海水を汲んで作った塩。観光客には「お守り塩」として人気がある。

出雲人が薦める出雲

スサノオの腰掛岩
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出雲市営天王山キャンプ場近辺、来阪神社の階段下に「スサノオの腰掛岩」があります。かつてスサノオノミコトが、ここに腰かけて出雲の地を見下ろしたのでしょうか。ここから出雲市が一望できて、眺めも最高です。

稲佐の浜
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旧暦の10月10日に八百万の神様が出雲へお越しになる浜です。神話「国譲り」の舞台でもあり、神秘的な場所。パワーを感じられる素敵なところです。特に夕暮れ時がオススメ。

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