イラストやアクアリウムを通して
水辺の自然や生きものの魅力を伝えていきたい

つじい ようすけ

辻井 要介

(みなもかん 代表)

石川県金沢市出身。石川県農業短期大学から島根大学 生物資源科学部に編入。大学院在学中に宍道湖自然館 ゴビウスで働き始め、飼育係の仕事と研究活動に励む。 大学院修了後も専門知識を活かして技術を磨く。その後、“つじいようすけ” 名義でフリーのイラストレーターとして活動を始める。アクアリウムの企画・制作、環境学習講師、生物調査員など水辺の自然や生きものをテーマにマルチに活動中。

水辺の自然や生きものをモチーフにした
イラストで魅力を発信

出雲大社の近くでデザイン制作をしながら、イラストレーターとして生きものや自然のイラストを描くことをメインに仕事をしています。生きものの特徴をとらえ、デフォルメ調の柔らかい暖かみのあるタッチのイラストが得意です。

元々生きもの好きというのもありますが、島根大学の生物資源科学部でタニシやシジミなどの研究をしたり、ゴビウスで飼育係として仕事をした経験は、専門知識の必要なイラストを描く時にとても役立っています。専門の方から僕にイラストを頼んで良かったと言っていただけるのが嬉しいですね。依頼があるごとに新しい気づきがあり勉強させてもらっている感じです。同時に、これまでのフィールドでの経験も活かして、水辺の環境学習の講師や生物調査員をしたり、水辺ビオトープのアドバイザーもしています。ありがたいことに数年前から出雲大社の池の環境整備にも関わらせていただき、池の管理と合わせて貴重な動植物の保護もしています。

あと、身近な水辺の生きものを楽しんでもらいたいという思いから、アクアリウムの企画やメンテナンスもしています。自分のこだわりは地元の生きものや素材を使うことですね。それを“ふるさと(故郷)アクアリウム”と呼んでいます。初心者でも簡単にできるボトルアクアリウムもあり、出張ワークショップもやっています。

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島根の自然の魅力に惹かれて

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子供の頃から水に棲む生きものが大好きでした。地元は金沢の外れの田んぼの多い地域で、周りには生きものがたくさん棲む環境だったこともあり、魚やエビなどをよく捕まえていました。

高校生の頃、生きもののことや自然環境を守るための勉強をしたいと思うようになりました。そんな時に、島根大学のパンフレットを見て、裏山にため池があるキャンパスの写真に不思議と惹かれました。それで島根大学を受験しました。受験の時に初めて島根を訪れて宍道湖に衝撃を受けましたね。内陸にあんなに大きい汽水湖があるのが不思議で。こういうところで暮らしてみたいなと思ったけど、その時は島根大学には落ちちゃいました・・・。

その後、滑り止めで受けていた地元の農業短大に入りました。そこでは農業の勉強がメインでしたが、生態学の研究室があったのでメダカの研究をやらせてもらいました。やっぱりこういう勉強がしたいなと改めて思い、環境も気に入った島根大学に編入学することにしたんです。

念願の島根大学に入った年に、ちょうどゴビウスが開館したんです。地元にいる頃からオープンのチラシを見ていたので、開館した年からバイトできたのは嬉しかったです。大学院に進学した後にチャンスがあり、ゴビウスの職員として働き始めました。大学院とゴビウス職員の両立で、今考えても大変な時期でしたね。

短大の頃から生きものの挿絵を描いていました。短大の先生と付き合いのある方から、ビオトープと子どもたちのイラストを描いて欲しいと頼まれたのが初めてのイラストの仕事でした。今でも付き合いが続いていて、仕事をいただいています。

ゴビウス時代もイラストを仕事に活かしていました。その時に一番思い出に残っていることは、一畑電鉄のラムサール号というラッピング電車に魚介類の絵を描かせてもらったことです。修士論文の追い込みとちょうど重なり、最後は徹夜で仕上げました。翌日の卒業式は寝てましたけどね。

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家族みんなで出雲の自然を楽しむ日々

妻との出会いはゴビウスでした。妻も小さい頃から生きものが好きで、今でも一緒にいろいろなところに生きもの観察に出かけています。

休日は家族みんなで魚釣りに行ったり虫を捕まえたりと自然を満喫しています。お気に入りの川で小石をどかしてエビを獲ったり、田んぼにいるおたまじゃくしを見に行ったり、身近なところの自然でも充分に楽しめるのが出雲の魅力ですよね。家の中にも水槽がたくさんあるので、子どもたちは魚やエビに餌をやってくれています。

今はアクアリウムのことと研究活動に力を入れている日々です。数年前から毎年、水草の展示会もするんですが、出雲は多種多様な水草があるのに見過ごされがちなんですよ。それを広めていきたいという思いで活動しています。水草だけでも癒されるのでぜひ見て欲しいですね。

最近は多方面に忙しくなってきて、妻にもグラフィックデザインの仕事を手伝ってもらうようになりました。妻は今まで全く違う仕事をしていたので、そのために島根県立東部高等技術校に通ってくれました。ありがたいです。今は簡単なことをお願いしていますが、どんどんデザインの仕事を任せられるようになったら、僕はイラストと外の仕事に専念できるかな〜(笑)

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出雲の水辺の魅力を
もっと深掘りしていきたい

島根に住み始めた時からワクワクの毎日でした。今でも昔ながらの水辺が多く残っているのがとっても気に入っています。気候的にも金沢に似ているので馴染みやすかったですし。

2018年から「みなもかん」という名前で水辺の自然や生きものをテーマとした活動をしています。出雲の水辺の自然を活用した取り組みをしたいという思いからこの名前をつけました。

水辺の中でも特に大好きな水草の魅力をみんなに伝えていきたいと思っているのですが、宍道湖で水草が増えてシジミの生育に悪影響を与えていたりと悪い方のイメージがつきがちなんですよ。だからその中でも水草のいいところをちゃんと調べて発信していきたいと思っています。島根の水草図鑑は絶対作りたい!

水草を守る活動も続けていきたいです。昨年は、娘の通う小学校の池に外来種の水草が増えてきたので子ども達に採ってもらい、地元の水草を植えるような活動もしました。

妻が島根県立東部高等技術校で“島根の希少な生き物”をテーマにした卒業制作をグループで作ったんですが、僕が監修という形で関わらせてもらいました。地域の自然をわかりやすく伝えるウェブサイトがあるといいですよね。今後そのページは僕が引き継ぐことになっています。

いろんな人と繋がって、自分の好きな分野で仕事ができるのは本当にありがたいことです。これからもなんでも自分の興味あることはやってみたいと思っています。

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出雲人が薦める出雲

斐伊川
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斐伊川は珍しい砂河川なので景観的にも面白いんです。増水時に沈む沈下橋は斐伊川の雄大な流れを間近で体感できる好きな場所です。

惠の唐揚げ
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出雲大社の神門通りにあるお蕎麦屋さんの唐揚げです。蕎麦ももちろん美味しいですが、唐揚げが絶品です。

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